2025.04.10作問者の声に耳を澄ませば - 問題が導く、真の理解への道
こんにちは♪
ゴールフリー枚方教室です。
皆さんにとって、学ぶということはどんな体験でしょうか?
まるで未知の世界への扉を開けるような、そんなワクワクする感覚はありませんか?
そして、その扉を開けるための鍵、それが「問題」という形をした問いかけなのです。
その一つひとつは、単なる知識の確認ツールではなく、私たちに何かを問いかけ、思考を促すメッセージが込められています。
今日は、少し視点を変えて、これらの問題の「作り手」、つまり作問者との対話を通して見えてくる、学びのヒントについてお話ししたいと思います。
これらの問いかけは、一体どこからやってくるのでしょうか?
問題は「問いかけ」である
作問者は、決して私たちを困らせようとしているわけではありません。
むしろ、私たちがまだ見ぬ知識の海へと漕ぎ出すための羅針盤として、「問いかけ」という形で導いてくれているのです。
彼らは、私たちが特定の概念を理解しているか、知識を応用できるか、論理的に思考できるか、といった様々な側面を「問いかけ」という形で試そうとして
います。
例えば、数学の証明問題。これは単に答えを導き出すだけでなく、「なぜそうなるのか」という根拠を、一つ一つのステップを論理的に積み重ねて説明する
力を問うています。作問者は、私たちが演繹的な思考を働かせ、矛盾なく結論に辿り着くまでの道筋を見ているのです。
また、国語の読解問題。作者の心情を読み解く問題は、単に文章を理解するだけでなく、登場人物の置かれた状況を客観的に分析し、言葉の奥にある感情の
機微や文化的背景まで深く理解し、共感する力を試しています。作問者は、表面的な記述だけでなく、行間に込められた作者の意図やメッセージを読み取る
ことを期待しているのです。
一つの問題に込められた多層的なメッセージ
私たちが目にする問題は、単なる知識の確認ツールではありません。
作問者は、限られたスペースと時間の中で、私たちに特定の概念の理解度だけでなく、論理的な思考力、得られた知識を応用する力、そして困難な問題にも
諦めずに粘り強く取り組む姿勢といった、総合的な能力を試そうとする意図があります。
作問者の意図を汲む
問題を解く際、私たちはどうしても「正解」という目に見える成果に意識が集中しがちです。
しかし、少し立ち止まって「なぜこの問題は自分に出されたのだろう?」「作問者はこの問題を通して、何を私に気づかせようとしているのだろう?」と意
識のアンテナを張り考えてみることは、単なる点数向上に留まらない、より深い学びへの扉を開くことになるでしょう。
例えば、数学の関数に関する問題。グラフを描き、最大値や最小値を求めるというシンプルな形式に見えても、作問者は以下のような多層的なメッセージを
込めている可能性があります。
・基礎理解の確認: 関数の定義、一次関数・二次関数といった基本的なグラフの形状、平方完成や因数分解といった計算の基礎がしっかりと定着しているか。
・応用力: 与えられた条件から必要な情報を抽出し、適切な解法を選択できるか。
・論理的思考力: 解答の過程を順序立てて説明し、論理的な矛盾がないか。
・視覚的理解: グラフを正確にイメージし、問題の状況を視覚的に捉えることができるか。
このように、一つの問題を通して、作問者は私たちの多岐にわたる能力を評価しようとしているのです。
作問者の意図を意識することで、私たちは問題に対する取り組み方が変わってきます。
単なる作業として問題を解くのではなく、「作問者との対話」を通して、問題の奥にある本質的な理解を目指すようになるのです。
学習へのヒント - 作問者の視点を取り入れる
では、作問者の視点を取り入れることは、私たちの学習にどのようなヒントを与えてくれるでしょうか?
「なぜ?」を大切にする: 問題の背景にある原理原則、公式が導き出される理由など、「なぜそうなるのか」という根源的な疑問を持つことは、表面的な暗
記に留まらない本質的な理解につながります。これは、作問者が私たちに探求心を持って学んでほしいと願っていることの表れでしょう。
多角的な視点を持つ: 一つの問題に対して、様々な解法を検討したり、異なる角度から考察したりすることで、問題の本質をより深く理解することができま
す。作問者は、私たちに固定観念にとらわれず、柔軟な思考力を身につけてほしいと考えているのです。
間違いから学ぶ: 間違えた問題は、作問者からの貴重なフィードバックです。「どこで理解が不足していたのか」「どのような思考のプロセスに誤りがあっ
たのか」を丁寧に分析することで、自身の弱点を克服し、より確実な理解へと繋げることができます。作問者は、失敗を恐れずに学び続ける姿勢を応援して
いるのです。
思考のプロセスを意識する: 正解に至るまでの道筋、考え方を意識することは、応用力を高める上で非常に重要です。作問者は、単に正解という結果だけで
なく、論理的に思考し、説明するプロセスそのものを評価しているのです。
実際に出た問題パターン
作問者と対話するということが顕著に表れた問題がありますので紹介します。
それは、2024年度第4回五ツ木模試の数学の問題です。大問2 (7)の問題です。
実際の問題は著作権の関係で載せることができないので、今回はその問題の作問者の意図を汲んだ問題を私が作成しましたのでそれをご紹介します。
【問題】
あるお店で、りんご3個とみかん5個を買うと1000円、りんご5個とみかん3個を買うと1240円になります。
りんご1個とみかん1個の合計金額はいくらでしょうか?
【解答・解説】
ここでポイントになるのは、この問題で求められているのが、りんご1個とみかん1個の合計金額であるということです。
多くの問題は、りんごとみかんのそれぞれの金額を求めさせます。
今回の問題では、求められ方がいつもと違うということでまずは意識のアンテナを張ることが大事です
では実際にこの問題を解いてみましょう。
りんごの個数をx、みかんの個数をyと置きます。
すると、
3x + 5y = 1000 ・・①
5x + 3y = 1240 ・・②
と式で表すことができます。
ここで①と②のxかyの係数を合わせ、加減法で計算するという解き方を考えた方、それは作問者との対話ができていません。
では、作問者との対話を意識した問題とはどのような思考プロセスを経るのでしょうか。
求めたいのはx+yの値です。
①と②をよく見てください。①と②を足すと、
8x+8y=2240 となります。
8(x+y)=2240 と表すことができます。
両辺を8で割ると、
x+y=280 となります。
よって、りんご1個とみかん1個の合計金額を求めることができました。
加減法を用いてxとyのそれぞれの値を求めてから計算するよりスマートではないでしょうか。
ここで大事なことは、この解法を思いつくことではありません。
問われ方から、作問者の意図を考えようと思考することです。
この問題はこういうパターンだからと言って、パターンを暗記したところで真の学力は身につきません。
思考して思いつくことが重要ではありません。
作問者の意図に常に意識のアンテナを張り思考することが重要なのです。
受験という「対話」
受験もまた、私たちと大学の知恵ある作問者との真剣な「対話」の場と言えるでしょう。
過去問を解くことは、過去の作問者たちがどのような知識の土台の上に、どのような応用力や思考力を求めているのかを具体的に理解するための、最も重要
なプロセスです。
それは、大学側が求める学生像を理解する第一歩と言えるでしょう。
最後に
問題は、時に難しく、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。
しかし、それは決して私たちを試すための壁ではなく、成長という名の新たな世界への入り口なのです。
作問者の意図を意識し、問題との真摯な対話を通して、皆さんの学びがより深く、実り多きものとなるよう、ゴールフリー枚方教室は全力でサポートしてい
きます。
知的好奇心の扉の向こうには、どんな学びが待っているでしょうか?
さあ、私たちと一緒に新たな一歩を踏み出しませんか?
----------------------------------------------------
ゴールフリー枚方教室
教室長: 十山和也
TEL: 072-841-3545
開校時間:火~金曜日 14:30~22:00
土曜日 12:30~20:30