2025.09.20「社会は暗記科目」という迷信
こんにちは♪
ゴールフリー枚方教室です。
「社会は暗記科目だから直前にやればいい」
テスト前に生徒と話しているとこの言葉をよく耳にします。
これは「短期暗記だけで点は取れる」
という迷信の典型です。
実際、社会は暗記科目と言っている生徒に限って、
「昨日は覚えていたのに、今日には忘れてしまった」
なんてことを言っています。
暗記だけに頼る勉強は、一見効率が良さそうに見えて、
実はとても不安定です。
単語帳のように用語を並べて覚えても、
背景や意味がつながっていなければ、
すぐに抜け落ちてしまいます。
たとえば歴史。
「1867年=大政奉還」とだけ覚えるよりも、
なぜ起きたのか、どう時代に影響したのか等の
「時代の流れ」を理解してこそ意味があります。
地理でも同じです。
「北海道=酪農」と覚えても、
なぜ北海道で酪農が盛んなのか
を説明できなければ、知識は使えないままです。
つまり、社会は暗記で片づける科目ではなく、
「理由や背景を理解し、説明できるようになる科目」
なのです。
考えてみてください。
数学の公式を覚えただけで、
問題が解けるようになるでしょうか。
もちろん、なりません。
大切なのは、
「なぜその公式が成り立つのか」
「どの場面で使うのか」
を理解し、説明できることです。
社会も同じです。
年号や用語をただ覚えるだけでは不十分で、
その背景や理由を自分の言葉で説明できること=言語化
が必要なのです。
実際の入試問題を見てみましょう。
「1867年=大政奉還」だけを問う問題は
ほとんどありません。
多くは次のような並べ替え問題として出題されます。
A:薩長同盟、B:大政奉還、C:安政の大獄、D:西南戦争、E:薩英戦争
問:A~Eをできごとが起こった順に並べかえよ
では、丸暗記で解くとどうなるでしょうか。
C:安政の大獄(1858)
E:薩英戦争(1863)
A:薩長同盟(1866)
B:大政奉還(1867)
D:西南戦争(1877)
であるため、C→E→A→B→Dとなります。
ただし、年号を全部覚えていないと解けません。
「1867年=大政奉還」以外は年号を覚えている人は
少ないのではないでしょうか。
一方で、流れを理解して解くとどうでしょうか。
幕末、日本は大きな転換期を迎えた。
安政の大獄で幕府への不満が高まり、
薩英戦争で薩摩は攘夷の限界を悟って
開国・近代化へ進んだ。
長州も幕府と対立を深め、
坂本龍馬の仲介で薩長同盟を結成した。
倒幕の動きは加速し、
徳川慶喜は大政奉還で政権を返上し、
江戸幕府は終焉した。
しかし新政府が中央集権を進めると
士族の不満が高まり、西郷隆盛を中心とした
西南戦争が勃発した。
鎮圧され、武士の時代は完全に終わった。
結果は同じく、C→E→A→B→Dとなります。
しかし、「流れ」を理解していれば、
年号暗記に頼らなくても解答できるのです。
こうして考えると、社会は暗記科目ではなく、
背景や理由を理解し、つながりを考える科目
だと分かります。
では、実際にどう勉強すればよいのでしょうか。
カギになるのは「理解」と「関連づけ」です。
歴史なら、人物や事件を物語のように整理する。
地理なら、その土地で産業が発達した理由を
自然環境や交通と結びつけて考える。
公民なら、ニュースを通じて
「教科書の知識が現代社会でどう生きているか」
を意識する。
こうした勉強を重ねることで、
知識は「自分の言葉で説明できる力」に変わります。
そしてこの力こそが、
入試やテストで本当に問われるものであり、
受験を超えて社会に出てからも役立つ
「考える力」につながっていくのです。
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ゴールフリー枚方教室
教室長: 十山和也
開校時間:火~金曜日 14:30~22:00
土曜日 12:30~20:30
