2026.07.31問題には、必ず意味がある。

現在、私は立命館会場で行われる中3生向けの
「3日間のお盆特訓」で数学を担当するため、
当日に使うオリジナルテキストを作成しています。

今日は、そのテキストの中から一問だけ紹介したいと思います。

1785491440.png

この問題を見たとき、皆さんならどう解き始めますか。

おそらく、多くの人はこう考えるでしょう。
「分母にルートがあるから、とりあえず有理化。」

もちろん、それでも解けます。
ですが、本当にそれが作問者の望んだ解き方なのでしょうか。

その計算、本当に必要ですか?

先日、この問題を高校生に解いてもらいました。

すると、最初にすべての分母を有理化し始めました。
式はどんどん長くなり、途中で計算スペースが足りなくなり、
最後には計算ミス。

決して難しい問題ではありません。
むしろ、「考えれば簡単になる問題」です。

例えば、

1785491456.png

を見てみます。
いきなり有理化するのではなく、

1785491469.png

と分けてみる。
すると、

1785491483.png

なので、

1785491496.png

まで簡単になります。
これをすべての項で行うと、

1785491508.png

となり、
隣同士がパズルのように次々と消えていきます。

最初は複雑に見えた問題が、
実は驚くほどシンプルな構造だったことが分かります。

「手抜き」と「楽をする」は違う

私は、生徒によくこう話します。
「手抜きはダメ。でも、楽をするのは大歓迎。」

この二つは、まったく別物です。

違いは、

考えているか、考えていないか。

「分母にルートがある。」
「だから有理化。」

これは、考えているようで考えていません。
ただ、覚えた手順を実行しているだけです。

一方、
「もっと簡単にならないかな。」
「この数字には意味があるのでは。」

そう考えた結果として、計算量を減らす。
これは立派な工夫です。

数学では、
たくさん計算する人が強いのではありません。
必要のない計算を見抜ける人が強いのです。


良問は、ヒントを隠している

この考え方は、今回の平方根だけではありません。

例えば、以前出題された2010年の京都大学の文系数学にも、
印象的な図形問題がありました。

一見すると、高校数学の公式をいくつも使って解くような問題です。

しかし、条件をよく観察すると、
「この条件なら、中学生で学んだ1:2:√3の形になる。」
と気付けるように作られていました。

つまり、
難しい公式を知っていることよりも、
問題を観察すること
のほうが重要だったのです。

これは偶然ではありません。

良問には、
「ここに気付いてほしい。」
という作問者のメッセージが必ずあります。

今回の問題も同じです。
「有理化してください。」

ではなく、
「まず観察してください。」

そう語りかけてくる問題だったのではないでしょうか。

常識を疑う

「分母にルートがあれば有理化する。」
「高校数学なら高校数学の知識を使う。」

もちろん、それは間違いではありません。
しかし、その常識だけに頼ってしまうと、
本当はもっと簡単に解ける道を見逃してしまいます。

だから私は、生徒たちにいつも伝えています。
「まず、問題を眺めよう。」
「何か気付くことはない?」

作問者は、意地悪をしたいわけではありません。

多くの良問は、
「この考え方に気付いてほしい。」
という願いを込めて作られています。

だからこそ、
数字にも、
式にも、
順番にも、

すべて意味があります。

その意味を探そうとする姿勢が、数学の本当の面白さなのだと思います。

おわりに

「とりあえず有理化。」
「とりあえず公式。」
そうやって手を動かす前に、
一度だけ立ち止まってみてください。

「この問題は、私に何を伝えようとしているのだろう。」

そんな視点を持つだけで、数学は単なる「計算作業」ではなく、
「思考の深まりを楽しむ学び」へと変わります。

この夏のお盆特訓でも、解き方だけを教えるのではなく、
「考えて楽をすること」
そして、
「問題に隠された意図を読み取ること」
を、生徒たちに伝えていきたいと思います。
----------------------------------------------------
ゴールフリー枚方教室
教室長: 十山和也
開校時間:火~金曜日 14:30~22:00
     土曜日   12:30~20:30

PAGE
TOP