2026.10.09数学では、寄り道が好きです。
先日、授業中に生徒から、
「先生って、なんで数学好きなん?」
と聞かれました。
数学が好きなのは間違いありません。
でも、「なんで?」と聞かれると、
意外とすぐには答えられませんでした。
答えが一つだから?
丸付けがしやすいから?
......いや、たぶんそれだけではありません。
少し考えて、
「いろんな解き方があるからかな」
と答えました。
同じ問題でも、
答えにたどり着くまでの道は一つとは限りません。
公式を使って解くこともできれば、
図を使って考えることもできる。
高校数学の問題なのに、
中学校までに習った知識だけで解けることもあります。
私は、そういう問題に出会うのが結構好きです。
というより、
改めて考えてみると、
私は数学に関して、少し天邪鬼なのかもしれません。
模範解答は、ある意味「出来レース」
問題集の模範解答を見ると、
「この公式を使って」
「ここを変形して」
「この条件から○○と分かるので」
と、綺麗に答えまでたどり着きます。
もちろん、それが模範解答の役割です。
書いてあることも正しい。
ただ、少し意地悪な言い方をすると、
模範解答は、ある意味「出来レース」です。
答えまでの道を知ったうえで、
正解までの道筋だけが綺麗に並んでいます。
だから私は、模範解答を見たあとに、
「ほんまに、この解き方だけ?」
と考えたくなります。
公式を使っているなら、
「この公式を使わずに解けないかな」
高校数学の知識を使っているなら、
「これ、中学生でも分かる考え方で解けないかな」
別の解き方が見つかったら、
「他にもないかな」
......こうして文章にしてみると、
やっぱり少し天邪鬼ですね(笑)。
もちろん、
模範解答通りに解いた方が
速いこともたくさんあります。
効率だけを考えれば、
ただの寄り道なのかもしれません。
でも、私はこの寄り道が好きです。
単純に、その方が面白いからです。
天邪鬼が、意外なところで役に立った
そんなことを繰り返していると、
自然と一つの問題をいろんな方向から
見るようになりました。
そして、教える側になってから、
この天邪鬼な考え方が、
意外と役に立つことがあります。
模範解答を使って説明しても、
「先生、そこが分からん」
となる生徒は当然います。
そんなときに、
同じ説明をもう一度繰り返しても、
分からないものは分からない。
だったら、
「じゃあ、違う道から行ってみようか」
と考えます。
図を描いてみる。
前に習った内容まで戻ってみる。
まったく別の解き方を使ってみる。
昔はただ面白くて探していた「別の道」が、
今では、目の前の生徒に説明するときの
大切な選択肢になっています。
「作問者の意図を探してみ」
数学の授業をしていると、
私はよく生徒に、
「作問者の意図を探してみ」
と言います。
すると、
「そんなの見つけられへん」
「どうやって見つけるん?」
と言われることがあります。
確かに。
言われてみれば、
どうやって見つけているのでしょうか。
もちろん、ある程度は慣れです。
これまで解いてきた問題の数も違います。
ただ、自分自身のことを振り返ってみると、
それだけでもないような気がします。
昔から私は、
「なんでこの数字なん?」
「この条件、わざわざ書いてある意味あるんかな?」
「本当にこの解き方しかない?」
と、
問題に対してあまり素直ではありませんでした(笑)。
模範解答とは違う解き方を探そうとすると、
問題をいつもとは違う角度から見なければいけません。
そうやって、
あっちから見たり、こっちから見たりしているうちに、
「この数字、怪しいな」
「この条件には何かありそうやな」
と考える癖がついたのかもしれません。
最初から、
「作問者の意図を見抜けるようになろう」
と思って勉強していたわけではありません。
そんな立派な話ではなく、
ただ、天邪鬼だっただけです(笑)。
だから、数学が好きなのかもしれない
最初の話に戻ります。
「先生って、なんで数学好きなん?」
今のところ、私の答えは、
「いろんな解き方があるから」
です。
でも、もう少し正確に言うなら、
「他の方法ないかな?」
と考えられるところが、
好きなのかもしれません。
答えは一つでも、
そこまでの道は一つじゃない。
「みんながこう解いているから」
で終わらずに、
「他にもないかな」
と寄り道できる。
もちろん、
皆さんにも毎回、模範解答とは違う解き方を
探してほしいわけではありません。
テスト中にそんなことをしていたら、
時間がなくなりますから(笑)。
ただ、振り返ってみると、
私はずっとこんなふうに、数学で遊んできたようです。
そして、その天邪鬼な寄り道が、
今の自分の数学の見方や、生徒への教え方にも
繋がっています。
「先生って、なんで数学好きなん?」
改めて考えるきっかけをくれた生徒に感謝しつつ、
これからも少し天邪鬼に、
数学の寄り道を楽しみたいと思います。
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