2025.04.212025年全国学力テスト 中3 数学 問題講評

みなさん、こんにちは。
先日行われた全国学力調査について
今回は中3数学の問題講評をさせていただきます。

まず大問1から大問5までですが、これらはすべて
基礎問題になります。
問題文の読み込みも不要で、いわば一問一答のような
問題で、ここを落とすのは相当まずいと言えます。

大問6については良問だと思います。
難しい問題ではありませんが、公式などが不要で
計算ミスによる失点もほぼありません。
つまり純粋に数学的な思考力を見ることができます。
また、通常であれば(3)の問題だけで十分ですが
このテストは合否を決めるためのものではありません。
つまり「ふるいにかける」のを目的としていないため
(3)は無理でも⑴⑵で得点できるようになっており
さらに、それを踏まえれば⑶も取れるよう
考えられている問題であるといえます。

大問7についても良問だと思います。
中学生の確率の問題は、どうしても単純・単調な
問題になりがちで、見覚えのある問題になりやすい
といった傾向にあります。
しかし、問題設定を中学生にとっては少しややこしく
感じる(あくまでも「感じる」レベル)ように
つくられており、どこか共通テストに通じるような
問題になっています。
きちんと読んで考えれば、誰でも解ける問題ですが
中学段階ですでに
「きちんと問題を読まない」「きちんと考えない」
コたちが多くなっているので、そういうコにとって
学びのある問題であると言えます。
ただ、これはこの問題どうこうではありませんが
中学生のコたちが皆
「同様に確からしい」という言葉の意味を
どれだけ理解しているのかが気になります。
それこそ、調査してもらいたいですね。
そもそも、学校の先生は理解させているのか?
いや、教えているのか?疑問です。

大問8も良問ですね。
共通テストの数学よりもよっぽど良くできています。
もちろん、マーク式という制限のある共通テストと
比べるのはおかしいのはわかっていますが
現実社会と数学の結びつきという点においては
共通テストは無理がありすぎます。
その点、中学生でも関数というものの利用の仕方
といったもにについて非常に理解しやすい問題であり
学びの多い問題であると思います。
答えそのものを求めさせるのではなく「方法を説明」
という問題に振り切ったのが高評価できます。

大問9も良問。
今回、非常に素晴らしい問題ばかりだと思います。
特に⑴の問題が高く評価できます。
難しい問題ではありませんが
「何を問われているか」がわかっていないと
間違えてしまう問題です。
高校数学になると、この「何を問われているか」
つまり問題の本質が見えていないと解けない問題
というものが多くなってきます。
しかし、中学数学だとそういう問題は少なく
教える側としても、そういう部分における重要性に
言及する機会が少ないので良問だと思いました。


最後に総評です。
非常によく考えられた問題だったと思います。
何より素晴らしいのは、入試でも模試でもなく
あくまでも「学力調査」という目的との親和性が
高いレベルで実現できているというところです。
とても感心しました。

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