2025.07.01「中高生の英語力が向上している」は本当? ― 文科省調査を読み解く 後編
みなさん、こんにちは。
前回に引き続き、文部科学省から公表された
英語教育実施状況調査の結果を受けての結論
中高生の英語力が向上している
このことに関して気になる点を書かせていただきます。
前回の記事では2点、挙げさせていただきました。
したがって、今回は3つ目からということになります。
③ 塾や英会話教室の存在
自分が個別指導塾の運営をしているから言うのではなく
塾や英会話教室の影響を無視して、都道府県ごとの
データを出すのはいささか乱暴な気がしています。
もちろん文科省にはそのような考えはないと思いますが
自治体間で教員の質の差があるかのような印象を
与えてしまっているように思います。
個別指導においては、入塾テストがないことが大半で
どのような学力状況のお子さんであっても
お引き受けして学力を伸ばしていく努力をします。
いくら英検3級が、英語が全然わかっていなくても
合格できるレベルであるとはいえ、中3の春の時点で
be動詞と一般動詞の違いがわからないといったコたちが
学校の授業だけで英検3級に合格できるとは思えません。
個別指導であれば中1から丁寧にやり直すことができ、
その結果として合格しているコも多いのは事実です。
また、英会話教室に通うコたちの中には
英文法は全然わかっていないにもかかわらず
単語の知識量の多さから、読解問題の文脈把握が上手く
さらにはリスニングも得意なため合格している
といったケースも数多く見られます。
このケースは、まさしく英会話教室の力そのもの
と言っても過言ではないと思います。
これらのことを踏まえると、塾や英会話教室に通わず
学校の授業だけで合格しているコたちの割合をもとに
「自治体間の差」として公表すべきであると考えます。
④ 教師の英語力と生徒の英語力に相関関係!?
・・・・文科省によると、そうらしいです。
文科省のいう「英語力」が何を指しているのか
詳しいことはわかりませんが、事実なんでしょうか。
「英語の指導力」であれば、まだ理解できます。
しかし、指導力は数値化したりするのが難しいため
データ化して相関関係の有無を見るのは困難です。
また、③で述べたように塾などの影響を無視して
このような結論を出すのは不可能な気がします。
もちろん、因果関係ではなく相関関係ですので
教員に結果責任を押し付けているわけではないことは
十分に理解しています。
しかし、因果関係と相関関係の違いというものを
世の中の全ての人が理解しているとは思えません。
そう考えると、不当に印象操作されてしまう恐れが
あるように思えます。
⑤ 中学生の英語力はむしろ低下しているのでは?
これは長く現場をやっている一個人の感覚ですが
現在の指導要領になってから、中学生の英語力はむしろ
低下しているのではないかと思っています。
あくまでも感覚的なものでありデータに基づくものでは
ありませんが、そう思います。もしかすると
できないコの割合が高くなっている
英語の学力差が広がっている
の方が正しいかもしれません。
そのように感じる根拠は、模試の平均点です。
旧指導要領の頃は、問題を解くとおおよその平均点を
ほとんど誤差なく予想することができました。
これは、数多く問題を解いてきたことによって
自分の感覚が養われた結果だと思っています。
しかし、現在の指導要領になってからは、自分の予想を
下回ることが多くなってきました。
もちろん、感覚が鈍ってきた可能性も否定できません。
ただ、ズレがで始めたのは、まさに現在の指導要領に
なってからのことなのです。
また、仮説ではありますが、低下している原因について
思い当たることがあります。
それは、教え方がアップデートできていない先生が
多いのではないかということです。
日本では何十年もの間、be動詞を学習してから
一般動詞を学習するという時代が続いていました。
僕は、これ自体が大きな間違いだったと思っています。
なぜなら、かく言う僕も、そこで躓いた人間だからです。
現在、それは解消され、be動詞と一般動詞はほぼ同時に
学習するようになりました。
しかし、自らもその順に学び、何年もの間その順で
教えてきた先生方はそれに対応できているのでしょうか。
この点について、非常に懐疑的に見ています。
最後に・・・
現代はSNSやネット情報が日常に溶け込む情報社会です。
そんな時代だからこそ、子どもたちには
情報リテラシーを身につけてほしいと思っています。
今回、教育の中枢を担う文部科学省から公表された
調査結果に対し、現場に身を置く者として違和感を覚え
あえて別の視点から意見を述べさせていただきました。
僕の主張がすべて正しいとは思っていません。
ただ、「一つの見方」や「考える材料」として
受け取っていただければ幸いです。
子どもたちには、数字やデータに振り回されず
誰が言ったかではなく「何を言っているか」に注目し
自分の頭で考え、自分なりの信念を持って歩んでほしい
そんな想いを込めて
この記事を締めくくらせていただきます。
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