2025.09.11『センスがない』と諦める前に読んでほしい数学の話【後編】 〜 数学にセンスは本当に必要か? 〜

みなさん、こんにちは。
過去2回にわたって

数学的センス

について書かせていただきましたが、最終回の今日は

問題を解くのに、数学的センスは必要か?

について、僕なりの見解を書かせていただきます。

実は、このことに関しては前回の記事の中に
ほぼ答えは書かれています。

前回の記事で、こんなことを書きました。

高校入試レベルの大半の問題は
過去の自分の経験(解いた問題)との照合によって
解けるかどうかが決まると言っても過言ではない

さらには、こんなことも。

解ける人は、多くの解法パターンに触れたという
経験値が多く、しかもそれらを覚えている。
解けない人は、経験値が少ないか、経験しても
それを覚えていない。
簡潔に述べればそれだけのことです。

つまり、高校入試レベルの問題において
数学的センスが必要な問題は、あるにはあるが
大半の問題はセンスよりも経験値と記憶力が重要
ということになります。

「数学こそ暗記教科である」

と言う人がいますが、強ち間違いではない
というのが僕の意見です。

たしかに、数学的センスというものは存在し、
それを持っている人と持っていない人が存在する
と思う一方で、それが絶対に必要かと問われると
ごく限られたハイレベルな世界でのみ必要
だと思います。

たとえば、大学入試であっても
共通テストレベルだと必要だとは思いません。
それ以上となると必要なのかもしれませんが
その問題を落とすと不合格になる
というレベルになると限られた世界なのでは
ないでしょうか。

つまり、何が言いたいかというと

自分には数学の才能がない。センスがない。

などと決めつけないでほしいということです。
ほとんどの人たちが先述のような限られた世界を
目指しているわけではないわけで。
それなのに、才能やセンスがないと思い込んで
数学を諦める必要はないと思うのです。

今、数学ができないのは、簡単に言うと

覚えるべきものを覚えていない

大半の人にとっては、ただそれだけのこと。
そんなふうに思うのです。

だから、まずは最初の一歩を踏み出すことです。
つまり暗記教科のように覚えようと努力すること。
ただ、その一歩を踏み出すには

自分には数学の才能がない。センスがない。

この思いを捨てなくてはなりません。
そして、覚える(定着させる)には工夫が必要。
単なる丸暗記ではなく、きちんと理解・納得の
うえに暗記があることを認識することです。

数学を教える者の1人として
数学が嫌い・苦手なお子さんが
1人でも減ることを心から願っています。

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