2025.10.06【令和7年 大阪府チャレンジテスト 数学】「良問」と「残念な問題」の分水嶺

みなさん、こんにちは。
9月2日に実施された

令和7年度 大阪府チャレンジテスト

ひとまず数学の問題をチェックしましたので
気になった問題について取りあげたいと思います。


大問1(3)

「鉛筆を1人にa本ずつ8人に配ったところ、配った鉛筆の
本数の合計は40本より多い」という数量の関係を正しく
表しているものを選ぶという問題。

う〜ん・・・選択肢が謎なんですよね。
僕が問題を作る立場なら
a÷8>40 や 8a≧40 といった選択肢を作ると思います。
「配る」という表現から割り算をイメージして
何も考えず割り算表記のものを選ぶコもいそうですので。
あとは左辺を40にしたりといった具合でしょうか。
選択肢アが浮きすぎていて気になりますね。

余談ですが、高校生で不等号の読み方を覚えられないコが
とても多いんですよね。
左から読んでいくわけですから自然な読み方なんですが。



大問2(2)

大問1(3)とは打って変わって、非常に良問だと思います。
学校の授業レベルで扱われる連立方程式の文章問題は、
二つの要素を含むものが圧倒的に多いのですが、本問では
3ポイントシュート・2ポイントシュート・フリースロー
という3つの要素が含まれています。
さらに、フィールドゴールという要素も組み込むことで
問題文の読解力を測ろうとしている意図を感じます。
また「成功率」という用語をきちんと定義するために
「20本のうち、65%の13本が成功したことがわかる」
という表現にしたことに意味を感じました。
塾に通っていないコたちにとっては、こういう問題に
触れることで大いに学びとなると思います。
大阪府という公が行うテストとして価値がある問題だと
高く評価しています。
ありきたりな問題が多い中、教科書に載せてほしい
非常によく練られた問題だと感心しました。

 

大問3(6)

一般の人々にとっては、当たり前すぎて価値のないような
問題に見えるかもしれません。
しかし、現場の人間にとっては価値を感じる問題です。
この問題で選択肢イを選んでしまうコがどのくらいいるのか
非常に興味があります。
悲しいことに、 間違いなくゼロではないはずです。
選択肢エを用意したのも良かったと思いますが
そういった選択肢が正解となる問題もほしいですね。



大問4(4)

問題自体は良い問題なのですが、解答欄が残念すぎます。
こういう問題は正解を書かせれば良いと思うのです。
この解答の形だと、意味がわからなくてもひとまず代入して
その値を書いて正解してしまうことが多くなります。
特に学力中位層のコたちにとっては代入という考え方以外に
ほぼ選択肢がないと思いますので、それなりの正答率に
なってしまう可能性を感じます。



大問4(5)

ただただ残念な問題。
せめて毎秒1cmでない問題にしてほしかった。
グラフを選ぶのは悪くないが、まさかの「それで終わり」
の問題というのが・・・
このような設定の問題で単問で終わるのは考えられません。
いったい何を測りたいのか?



大問7(2)

これは良問だと思います。
「y座標」が何を表しているか?ということはわかっても
「y座標の差」となると、わからないコも多そうです。
そもそも差を問われていると気づいていないコもいそう。



大問7(3)

こういう問題に対して
「何と答えれば良いか」「何を書けば良いか」
がわからないコが非常に多いと思います。
無解答の割合に注目したいところです。



大問8(1)②

選択肢アはさすがに無理があると思いましたが、
これを逆手にとって100個のキャベツにして出題しても
よかったのではないかと思います。
「度数(個)」の欄に5と書かれていても母数によっては
それが5%を意味することもあるということを
理解できるコがどのくらいいるのか興味があります。



大問8(2)②

最近の入試では、こういった問題が増えてきています。
単純に、どちらが重い傾向にあると感じるのか?
それ自体を知りたいですね。
最小値は冬キャベツの方が小さいため春キャベツの方が
重い傾向にあると考えるコも多そうです。



大問9

僕は、そもそも規則性の問題自体に疑問を感じています。
本来、その規則がどこまでも続く(成り立つ)ことを
示さなければ、それは単なる予想でしかないわけで。
それをせずに答えとするのは、数学というよりも
単なるクイズや謎解きのような感じがします。
与えられた具体例から一般化し、nを使った式を導き出す
ということを目的としていることは承知しながらも
それは関数の応用問題で代用可能なように思います。




以上でチャレンジテストの感想を終わります。

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