2026.06.16光を当てる場所
みなさん、こんにちは。
いよいよ期末テストが近づいてきました。
この辺りのほとんどの中学校では、中間テストがなく
この期末テストが、新学年になって初めてのテスト
ということになります。
先日の日曜日にはテスト対策会を実施し
多くの生徒が参加してくれました。
生徒にとっては、集中できる環境であるだけでなく
わからないところを質問できる非常に良い機会です。
一方、僕にとっては、普段は担当していない生徒の
学力状況をリアルに掴むことができる機会でもあります。
どの生徒も一様に頑張っているのですが
やはり勉強の仕方に関しては、人によって色々と差がある
ということを実感します。
それは何のためにやっているの?
それをすることで、どういう結果が得られるの?
頑張っている生徒に、そのようなストレートな言葉を
かけることはないものの、心の中ではそういう想いを
抱くことは珍しくありません。
そんなコには、違った角度から問題を出すなどして
自分の勉強の仕方のどこがまずいのか?ということに
自分で気づいてもらうよう心がけます。
さて、テスト対策会で、そのようなやりとりをしていると
ふと、自分の好きな話を思い出しました。
今回は、それを紹介したいと思います。
月食の写真を撮りたいと思った方がカメラ屋さんへ行き
店員さんにこう尋ねました。
「月食をきれいに撮りたいのですが
どんなフラッシュを買えば良いですか?」
すると店員さんは答えました。
「そんな遠くまで届くフラッシュはありません。」
そして、こう続けたそうです。
「そして、もし仮に、そんなフラッシュがあったとしたら、
月食にはなりません。」
僕は、この話がとても好きです。
なぜなら、この短いやり取りの中に、とても大切なことが
詰まっていると思うからです。
「月食が撮りたい」とは「月が暗くなるのを撮りたい」
ということですから、この方の目的は
月食の状態を写真に収めることであるはずです。
ところが、その方は月食の仕組みを考える前に
「どうやって明るく(くっきり)撮るか」
という手段にだけ意識が向いていたことになります。
ただ、僕はその方を笑うつもりはありません。
なぜなら、僕たちも日常的に同じことをしているからです。
教育の世界でも、似たような場面をよく見かけます。
「どの参考書を使えば成績が上がりますか?」
「どんな勉強法なら伸びますか?」
「どうすれば集中力が持続しますか?」
「勉強の仕方がわかりません」
これは子どもだけの話ではありません。
大人も同じです。
「どうすればHPの記事が書けますか?」
「どうすれば面談が上手くなりますか?」
もちろん、こうした質問や相談が悪いわけではありません。
しかし、その前に、一旦立ち止まって考えるべきことがある
という場合も少なくありません。
なぜ点数が取れないのか。
なぜ覚えられないのか。
なぜ間違えるのか。
本当の問題は何なのか。
そこを考えないまま手段だけを探しても、
なかなか解決には至らないのではないかと思うのです。
以前の記事でも書きましたが、僕は勉強において
「本質を見る力」が大切だと思っています。
「本質を見る」とは
表面的な現象や表現、用語、定理、公式ではありません。
その奥にある「本当に学ぶべきこと」に光を当てることです。
僕はそれも学力の大切な一部だと思っています。
月食にフラッシュを当てる前に、まず月食とは何かを考える。
勉強法を探す前に、まず自分の課題は何かを考える。
生徒たちには沢山の知識を身につけてほしいと思っています。
しかしそれ以上に
「何が問題なのか」
を考えられる人になってほしいと思っています。
遠回りに見えても、その方が近道なのかもしれません。
