2025.11.17正しい日本語って何だろう?〜文章を自然に伝えるために〜

こんにちは、ゴールフリー千里山教室です。

SNSやネットニュースを見ていて、「あれ、ちょっと変かも?」と感じることはありませんか? 例えば「~という人」を「~と言う人」と漢字で書くと、読み手に伝わる意味や印象が少し変わります。 日頃お子さまたちの学習を見ていると、文章をつなぐ言葉や、動作や気持ちを補う言葉の使い方にちょっとした違いが見られることがあります。

まずは例で考えてみましょう

文章を読んで、「この書き方、少し印象が違うかな?」と考えたことはありますか? 日常の文章の中でも、文章をつなぐ言葉や補助の言葉の使い方で、読みやすさに差が出ることがあります。ここでは具体例を挙げてみます。

★形式名詞の例

  • 例:勉強する事は大切です。
  • 例:勉強することは大切です。

「事」と漢字で書くと読み手に伝わる印象が少し変わりますが、意味としてはどちらも正しい書き方です。 文章をつなぐ言葉は文の流れを整える役割があるので、ひらがなで書くと読みやすくなります。

★補助動詞の例

  • 例:読んで見る
  • 例:読んでみる
  • 例:手伝って上げる
  • 例:手伝ってあげる

こうした言葉は、動作や意味を補って文章全体のニュアンスを自然に伝えるために使います。 漢字で書いても意味は通じますが、ひらがなにすると文章がやわらかく、読みやすくなることがあります。

★補助形容詞の例

  • 例:わかり易い
  • 例:わかりやすい
  • 例:して欲しい
  • 例:してほしい

こうした補助の言葉も、ひらがなで書くと文章が柔らかくなり、読みやすさが増します。 漢字にしても間違いではありませんが、表現の印象に少し違いが出ることがあります。

他にもこんな例があります。例えば、日常でよく使う「〜かもしれない」。
これを「〜かも知れない」と漢字で書くこともありますが、「知れない」を漢字にすると、"何かを知る/知らない" の意味が強く見え、本来のニュアンスから少しズレた印象になることがあります。どちらが絶対に間違いというわけではありませんが、公文書や文章の種類によって使い方が変わる表現のひとつです。


「言う」と「いう」の使い分け

これまでの例とは少し違いますが、「言う」と「いう」は、どちらも正しい言葉ですが、使い方に少し違いがあります。 ポイントは、「実際に口を開いて言葉を出す」という意味があるかどうかです。

1. 漢字の「言う」を使う場合
  • ・「彼は謝るべきだ」と言った。(実際に口に出して発言した)
  • ・誰にも言わずに出かける。(誰にも口を開いて伝えないで)
  • ・自分の意見をはっきり言いなさい。(声に出して伝えなさい)
  • ・事実を言えば、誰もが納得するだろう。(言葉にして伝えれば)
2. ひらがなの「いう」を使う場合
  • ・弁護士という仕事に興味がある。(限定・名称として)
  • ・そういう話は聞いたことがない。(比喩・例示)
  • ・明日雪が降るというが、本当だろうか。(伝聞)
  • ・顔といい、声といい、母親そっくりだ。(列挙・強調)
  • ・君という奴は、本当にマイペースだ。(限定・強調)
  • ・難しいといっても、少し練習すればできる。(前置き・譲歩)


言葉を話す動作が主役で、動詞として使うときは「言う」と漢字で書くことが多いです。 文章をつなぐ役割や説明のために使うときは「いう」とひらがなで書くと、読みやすくなります。 こういう違いも知っておくと、お子さまに教えるときの参考になります。お家でぜひ話してあげてくださいね。

SNSが当たり前の時代だからこそ

SNSやネットニュースが身近な時代では、文章のおかしな部分に気づきにくいこともあります。 だからこそ、お家で「こういう書き方もあるんだね」と話してあげることが大切です。 文章のニュアンスや読みやすさについて、親子で一緒に考えてみてください。

お家でできること

文章を書いているときに、「ここはひらがなで書くと読みやすいね」「こういう表現もあるんだよ」と声をかけるだけでも、お子さまの理解が深まります。 日記や宿題の文章を一緒に見直すだけでも、文章を意識するきっかけになります。

まずは、冒頭に挙げた例をお子さまと一緒に読みながら、「どこがちょっと違うかな?」と話してみてください。 小さな気づきの積み重ねが、文章力を育てる大きな一歩になります。

ぜひ、お子さまと一緒に話しながら確認してみてくださいね。

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