2023.05.21お子さまは、集団指導塾、個別指導塾どちらが合っていますか? ②

(3)科目内単元格差

   [ 一科目の中でも・・・ ]

(例) 「1次関数」の構成要素

 ○計算力
 ○関数の概念(小学校範囲)
 ○座標軸等の関数の基礎知識
 ○1次関数固有の知識


1つの科目を取ってみても集団指導の場合は、学力構造に合った内容に則くして学習しているわけではありません。

例えば1次関数・・。これを構成する要素は、計算力、関数の概念(小学校範囲で習うもの)座標軸等の関数の基礎知識1次関数固有の知識です。1次関数のテストがそれぞれ50点の△君と□君がいたとすれば、どの要素に原因があって点数が取れないのかは両者ともに違うはずなのに、集団指導の場合はそれぞれの原因要素に合わせて指導することはできません。1つの単元(1次関数)だけでも複雑な構成要素があるのに、その領域・範囲までも及ぶと、例え自分のレベルに合ったクラスに入ったとしても、その学力構造に合った学習をしていることにはなりません。従って、レベルに合ったクラスに入ったとしても、その学力構造に合った学習をすることは大変困難です。

できる、できないという視点から考えてみると、下記のような3段階に分けることができます。実力を効率よくアップさせるためには、△印の部分を集中的に勉強することが効果的です。そのことを、踏まえて学習していくことが効率の良い学習方法ですが、集団授業の場合は、生徒一人ひとりの△にフォーカスすることはできません。


○○○○○○○○○○○○△△△△△△△△△×××××××××
    ・できる    ・たまにミスをする  ・できない
    ・わかる    ・だいたいわかる   ・知らない


(4)単元内個人別格差

[ 1回の授業の中でも・・・ ]

1 2 3
A君 15分 10分 20分

B君 5分 10分 30分

同じ学力を持っているA君とB君に1~3の問題を解説しても、個々に理解するまでの時間数には差があります。1回1回の授業の中でも集団指導の場合は、個人差が出てきます。それは1問を理解するために要する各生徒の所要時間数です。つまり、1の説明をA君に合わせるとB君は全く理解できず、B君に合わせるとA君は10分間遊んでしまうことになります。集団指導において全員を理解させ、全員を遊ばせないということは至難の技なのです。

(5)内容理解のための積み重ねの重要性

学習は積み重ねがとても大切です。例えば、最低ライン(底辺)を学力構造の基礎ラインと仮定します。○の部分は理解できている、△はあやふやな部分、ミスの多発地帯、×は理解できていない部分だとすると、学習を進めていく上では、積み重ねられる所は○の部分だけになってきてしまいます。さらに学習が進んでいけば、積み重ねられる△の部分は徐々に狭まってくることになり、最終的には何も上乗せできない状態になってしまいます。それに○の部分は個人差が大きいので、積み重ねられる内容量もそれぞれに違いがあります。
しかし、学習は積み重ねですから、そのためには、底辺の基礎ラインを延長していく必要があります。その上で、応用の部分を理解するためには、基本の部分まで戻って学習し直すなどのことが必要になってくるわけです。さらに時間が経てば、当然抜け落ちる部分も出てきますし、理解不足の所も出てきます。でも、その部分の復習をしっかりしていかなければ、積み重ねる部分がさらに狭まってしまいます。こういった現状を踏まえると、集団指導の場合には、固定されたカリキュラムで進んでいきますので、過去に理解不足の原因がある場合には対応ができないということになるわけです。

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