2023.05.29図形を克服する方法について

 ◆図形◆

 図形を苦手とする子供の多くの親は「ちょっとコツを教えてもらえれば・・・」とか「補助線がひけなくて・・」とよく口にしますが、実際問題としてコツや補助線がひらめけば解ける問題があることは事実ですが、ほとんどの問題は知識と技術(集中力)で解くことができます。

            「知識」・・・面と面は線で交わる
                  ・線=点の集まり
                  ・面=線の集まり

 (1)図形のセンスとは?

(上から見ると) (横から見ると) (円すい)
 
図形のセンスとは、立体を平面上(紙の上)で表すという抽象的な概念、イメージ力です。そのイメージ力(見えない部分を想像する力)は、ブロック遊びや積み木、砂遊びなどを通して、上下左右の感覚を培っていきます。一般的には、1歳~3・4歳までに育つものといわれており、小4までが限界と言われています。それ以上の学年になってくると、イメージ力そのものを養うのは難しいとされています。
 それとはまた別な方法で図を大きく書く習慣や知識、技術、集中力などを身に付けることによって、一応の感覚はつかむことはできます。


 (2)小4以降の図形

 小4以降の図形は、求積そのものを目的としていますが、まず最初は、方眼紙の上に図形をのせるということから始めます。実体的な図形に対して、抽象的な方眼紙を使う意味は、求積という道具を使って、方眼紙に慣れてもらうことを目的としています。
 この方眼紙は、座標軸、関数等に対する抵抗をなくすためのスタートでもあるわけです。

小3  小4以降
現実的  公式利用


(3)中1の図形・・・空間図形、公式(小学校の時の焼き直し)

 中1の図形は、小学生範囲の復習と、感覚的なものを養うことが基本となりますが、(空間の中での直線など)後々に大きな影響は残しません。それに、小学校レベルの復習部分、焼き直しが多いわけですから、成績的にも最も上げやすいということが言えます。三角形の面積の求め方が解らないなどのよっぽどのことがない限り、小学校範囲がある程度しっかりしていれば、中1の1・2学期が例え「2」という成績であっても、3学期単独で「4」に持っていくことは可能ということになります。
 ここで成績が上がってこない場合は、算数・数学そのものに対する学習意欲の低下、苦手意識の方が根強いといえるでしょう。


 (4)中2の図形・・・≠証明(平行線の性質、合同、相似)

 中2の図形というと、=(イコール)証明という意識を持っている人が大半ですが、決して証明しかないということではありません。中2の図形は、証明以外に、平行線の性質、合同、相似など、単独で入試問題にも出題されるほどの、とても重要なものがあります。
 公立入試の場合を除き、証明問題はss54・55未満の入試には全くと言っていいほど出題されていませんが逆に、求値問題はss30~ss70の入試であっても必ず出題されます。


 証明問題を苦手とする生徒の7・8割は、求値問題が満足にできない生徒です。証明問題は求値問題の部分を使って証明することが多いので、証明はできなくて当たり前ということになります。学校などでも、証明は難しすぎて時間がかかってしまうことが多く、求値問題とのバランスを取りきれない場合が多いようです。中2の段階で証明問題ができないからといって、中3の図形に致命的影響を与えることはあまりありませんが、求値問題をおざなりにしたまま進んでしまうと中3の図形に対してかなりの悪影響を及ぼすことは間違いありません。
 

(5)中3の図形・・・円、三平方の定理、相似と計量

                 (中2の相似と中3の相似の違い)
・中2・・平面図形
・中3・・立体図形

 中3の図形においては、中2の求値問題を使わずに解けるものはほとんどもありません。しかし、各単元を構成する要素は方程式の計算程度で、少なく、根が浅いと言われています。
 従って、成功体験をつけやすい単元、学年と言われており、なぜこうなるか?というような理由づけ、定義、証明から入るよりも、運用、方法だけを先に教えて演習を重ねることによって、確実な得点源にすることができます。それに、入試問題は中2範囲からよりも、中3範囲からの出題率のほうが高いという現状があります。


[学校では] =興味をそがれる          [実際は] =運用を中心に行い、自信を深める

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