2023.05.30理科の学習について【小学生編】

1 小学生の理科

 (1)非受験生にとっての理科

 小学生非受験生にとっての理科は、例えできないからと言っても、大きな問題にはなり得ない科目であると言ってもいいでしょう。学習塾に通う生徒で補習希望であっても、理科を大きく取り上げて学習することは極めて少ないということからも言えると思います。
 しかし、学校でテストがある以上、無視することはできません。そのためには情操教育の一端、文化を後々に伝えていくなどの本質的な部分と、非受験生にとっての「理科」に対する内容と位置づけ、意味合いが解っていなければいけません。

 ●小学生の理科の目的 = (1)科学に興味をもってもらうため
              (2)科学知識を後々に伝えるため

 1部の私立の学校などでは、興味深く、楽しい授業を行っているところもありますが、一般的には、知識を伝えるための理科になってしまっていることが大半です。結果よりも興味を持ってもらうことの方が重要なのに、学校では内容のない、つまらない暗記の授業に走ってしまうので、とても勉強がしにくいと言えます。あくまでも、結果よりも興味をもつことが重要なのですから、「アサガオの花びらの枚数は何枚ですか?」というテストの問題に対して、「○枚です」と答えられるという結果よりも、本来は、「じゃあ、ユウガオの花びらは枚数は何枚なんだろうね。見に行ってみよう!」と思うような、本質的なことに目が行くように指導すべきものなのです。昆虫の名前や花びらの枚数を自動的に暗記している子供よりも、理科っておもしろいなと思っている子供の方が結果的には理科ができるようになっているというケースは圧倒的に多いと言うことです。
 ただし、教える側の視点に立つと、系統だっていないので、わかりにくいという面もあり、興味を持たせるように教えるのはとても難しいということも言えます。


 (2)中学受験にとっての理科

 基本的に受験生にとっての理科の内容は、中学3年生範囲の1部を含む内容にまで踏み込んでいるというのが現状です。(新中学問題集1・2年生と新小学問題集の4・5・6年生と比べると内容的にほとんど差はない)


 ●小学生の受験レベルと中学生の理科との違い

 小学生の受験レベルと中学生の理科との違いは下記の2点を除けば、中学3年間で習う理科との差はほとんどありません。

 (1)正負の計算・方程式は扱わない

 正負の計算と方程式を扱わないということは根本的な内容の理解ができないということになり、物理的な内容を理解するにしても丸暗記せざる得ない状況があります。ですから、その内容そのものの理解がしにくいという面につながってしまっています。
 (2)知識レベルは小学生の方がうっとうしいくらい細かい

 最近の入試傾向として、自分の考えを述べさせる時事問題などが多く出題されています。それに、中学生では習わないレンズの問題なども出題されています。ですから、これは覚えてこれは覚えなくていいという判断が非常に難しいと言えます。ですから細かい知識レベルのアサガオの枚数なども覚えなければなりません。従って、4科目受験をする子供達は多量な知識の暗記が必要になるわけです。
 ただ、この不利な条件はみんな一緒ですから、トータルバランスで調整できるのであれば有利な面はありますが、トータルでの勉強をコントロールをしていくのはとても難しく、厳しい現状がありますから、4科目受験をする場合には慎重にならざる得ないというのが正直なところです。

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