2023.05.31理科の学習について【中学生編】

 2 中学生(受験用の理科)

 (1)中学生の理科    1分野・・物理・化学
              2分野・・生物・地学

 中学生の理科は上記のように別れていますが、「理科が苦手!」といっている子供達は、何に対して苦手意識を持っているのでしょうか?これは全くと言っていい程根拠のないもので、苦手と言う方がおかしい範囲(覚えておしまいのところ)も中にはあるのに、「理科は苦手」と思うことで、そう言った部分も含めて自ら理科をできなくしてしまっているということが言えます。
 ですから、「理科のどの部分がどういうふうに苦手なの?」と立ち入って詳しく聞いてあげる必要があるわけです。大半の生徒は、物理、化学に対しての苦手意識が強いようですが、その部分だけの苦手意識によって、理科全体を苦手としてしまっている場合が多いですから、「理科が苦手!」といっている生徒には「理科のどの部分がどういうふうに苦手なの?」という分析をきちんとしてあげましょう。


 (2)理科が苦手という生徒のポイント

物理・・・力、電気(理科が苦手という生徒の8・9割はこの範囲)
化学・・・濃度


化学・・・化学式を覚えられない(苦手というよりは嫌いの領域)
生物・・・覚えるのが苦手、嫌い(苦手というよりは嫌いの領域)

 理科を苦手とする生徒の最大の原因である「力」の範囲が、中学1年生の比較的早い段階で習うことになるので、そのせいで残り全部の理科に対する苦手意識の持ち方が違ってきてしまうようです。4分野の内の1つのさらに○分の1の部分ができないだけで、理科全体に苦手意識を持つことはないのですが、子供達にとってはそのことの整理がつかないようです。ここ最近では特に複雑な内容のものは入試問題からも外れていますから、(レンズ、斜面にかかる力の求め方もカットされている)以前よりは複雑性はないはずです。ですから、「なぜ、苦手と思うのか」というところをきちんと分析してあげて、分析をきちんとしたら、下記の2点で対応策を考えてあげて下さい。

[対策]   ○そこだけ何とかする(拾っていく)
○そこだけ捨てる(入試問題で、力と電気だけで30点の配点はない。
          せいぜい15点程度)
         ↓
冷静な割り切り方

[拾い方]  (例1)電流計のつなぎ方
(例2)電流は(A)という単位で表せるなど

 そこだけを捨てるということであっても、上記の様な(例1)と(例2)の部分はしっかりと拾っていかなければいけません。捨てる範囲の中でも拾うべき所はあるということです。冷静な割り切り方、判断が必要となってきます。

 中学生の理科は小学生までの理科と同じように、「興味を持って」という流れに変わりはありません。しかし、本当に簡単なことを難しく、つまらなく教える先生がとても多いので、先生によって差が激しいというのは確かなことです。
 ですから、こういった部分では、子供の気持ちを理解してあげやすいですから、心情的な部分に触れ、子供に対しての意識付けをしっかりしていきましょう。


 (3)中学生の理科は積み重ね性はない

 中学校1年生の1・2学期の数学の成績と中学校1年生の3学期の数学の成績の変化に共通する部分でもありますが、中学生の理科は積み重ねの科目ではありませんから、下記のように「2」から急に「5」に上がったという成績の変化があってもおかしくはない科目です。(「5」という成績を取るということはそれなりの成功体験を味わったということになるので、苦手意識が薄くなり、急にまた「2」に落ちるということは少ないと考えられますが、大きく変動があってもおかしくない科目であるということです。)


 (4)勉強の特異性

 一般的に学習は毎日コンスタントに勉強した方がいいと言われていますが、理科の分野によっては、数学などに比べて理解しなければならない最小単元のひとかたまりが大きいので、毎日の学習というよりも、週に2回ほど時間を大きく取って学習する方が効率的と言えます。高校生の理科の勉強も下記のように実施するのが好ましいと言えます。

●3.5時間、1教科/1週間という勉強時間を考えてみる

(1)理科(社会)型の積み重ね性の弱いもの
理解しなければならない最小単元のひとかたまりが大きいので、毎日の学習というよりも、週に2回ほど時間を大きく取って学習する方が効率的

(2)数学、英語、国語型の積み重ね性の強いもの
 積み重ね性の強い科目は、まとめて勉強するのではなく、3.5時間という時間を毎日少しずつに切り分けてでも毎日の学習をする方が好ましい


●理科の勉強
生物の食物連鎖を学習する場合、食物連鎖の一部分だけを取り上げて学習しようとすると全体の構造がつかめないので、何をいっているのかがわからないという状況になってしまいます。ですから、全体の理解をするためにひと通り読み込むという作業が必要となってくるので、毎日少しずつ分散させて学習するよりも、ひとかたまりで学習する時間が必要となってくるわけです。

「2.5時間/1日(ひと通り読み込こんで理解する)+1時間/1日(忘れないための復習学習)」


●数学の勉強
数学などは1つの単元のまたその中の1つ単独で勉強していくことが可能です。

  連立方程式の中の加減法だけ

  x+y=2
  x-y=-1  左記のような練習問題だけでも学習効果ある

「0.5時間 × 7日」


 理科は積み重ね性のない科目ですから、毎日コツコツと学習する必要はありませんし、逆に、大きくまとまった時間を使って学習をしていけばいいわけですから、3年間真面目に学習し続ける必要はないということが言えます。入試で、100点を取る必要のない生徒であれば、受験直前の3ヶ月間を利用して、70・80点分の知識は十分に取り戻しはききますし、通信簿「2」の生徒であっても理科は覚えることが少ないので、数学や英語よりも対応がしやすいということが言えます。

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