2025.02.152025年度共通テスト数IIBC 問題講評
みなさん、こんにちは。
先日の
2025年度共通テスト数IA 問題講評(記事はこちら)
に続き、今回は数IIBCに関する記事となります。
昨年までと比較すると
試験時間が60分から70分へと変更となり
数IIBから数IIBCとなったことで
数I A以上に対策に苦労された方も多かったと思います。
基本的に、昨年までのテキストや過去問は
大問ごとの学習には使えても、時間を計って解く
という形では全く使いものにならないため
教室としても対策には苦労しました。
時間も単元も変わるとなると、教える側も
今までの感覚をリセットしなくてはなりません。
つまり問題のレベル感も時間的な感覚も新たに掴み直して
生徒に指導する必要があるわけです。
予備校であれば、各先生が自らそれをなさるわけですが
個別指導において指導するのは大半が大学生です。
もちろん、自らそういったことを行う人もいるでしょう。
しかし、全員がそうとは限りません。
したがって、教室として対策テキストを揃えることで
講師にそういった感覚を掴み直すよう指導が必要です。
2025年共通テスト対策用のテキストが
塾にどれだけ揃っているかを見るだけで
高校生対応が可能な個別指導塾であるかがわかる
なんてことを言うのは言い過ぎでしょうか?
1冊もないなんてこともあるかもしれません。
ちなみに、くずは教室では
河合出版・駿台文庫・東進ブックス・Z会の
対策テキストを揃えて指導に役立てていました。
これでもまだ少ないとは思っていますが。
さて、前置きが長くなりましたが、以下、大問ごとに
講評を書かせていただきます。
【第1問】
三角関数の問題です。
センター時代から「三角関数は合成!」が基本でしたが
今回、合成はなし。
三角方程式の一種ですが、試作問題とほぼ一緒ですね。
センター時代の模試ではよく出題されていましたが
それらの問題の方が難しかったと思います。
もう少し掘り下げて面白い問題にできそうな単元なのに
非常につまらない問題でした。
【第2問】
指数・対数関数の問題。
頑張って文章問題にしてみたものの・・・ですね。
これもセンター時代の模試の問題の方が
よっぽど頭を使う問題で良かったと思います。
結局、指数関数や対数関数って「底」を文字にして
場合わけの必要な問題にしないと、ほぼ単なる計算問題
になってしまうんですよね。
これが問題をつまらなくさせている原因かと思います。
一方で、こういう文章題の出題形式を見て
「共通テストの数学では読解力が必要」ということを
まことしやかに語る人がいますが、そういう人たちは
実際には生徒に教えていないんだろうなと思います。
つまり、読解力や思考力を必要とした問題にしたつもりが
実はさほどその効果が見られないということです。
場合分けの必要な問題の方が
よほど思考力を必要とすると思います。
【第3問】
第1・2問ともに「残念な問題」という評価でしたが
この第3問は評価できる部分があります。それは
「面倒な計算が必要な問題にしなかったこと」です。
模試の問題でもそうですが、微分積分の問題は
計算が面倒くさい場合が他の単元よりも多苦なりがち。
正直、高3生に面倒な普通の計算をさせることに
あまり意味を見出せないんですよね。
個人的には電卓の使用もOKで良いとすら思います。
リスニングの機器と同様に配布すれば良いわけで。
そういう視点で捉えると良い問題だったと思います。
ただ、接線の問題が出なかったのが意外でした。
これも大問の数の影響かもしれません。
【第4問】
ここからは選択問題。3問選択となります。
まずは数列です。
センター時代を含め、模試・本番ともに数列といえば
漸化式がメインというイメージでした。
たまに出てくる「格子点」の問題も漸化式の問題と
なっていることも多く、苦手な人が多い印象でした。
今回、その格子点の問題が出題されましたが
格子点の問題としては非常に簡単でした。
本質的に同じような問題を3題というのが・・・
等差とか等比とか用語を答える問題も不要ですし
一体、何がしたいのか、よくわからないです・・・
【第5問】
続いて統計的な推測の問題。
公式さえ覚えていれば解ける問題が大半でした。
昨年までは「数列」「ベクトル」とともに選択問題の1つ
でしたが、ほぼ「数列・ベクトル1択」の状況でしたので
教える機会は多くありませんでした。
今年からは、文系のコにとってはほぼ必須の単元となり
対策が必要になったわけですが、毎年このレベルの
問題だと楽で良いのですが。
来年はきっと難しくなるでしょうね。
【第6問】
ベクトルの問題。
ベクトルを教えるにあたり、最初に教え込む考え方が
「ベクトルは図形問題ではなく計算問題」
というものです。
極論ではありますが、生徒にはそのぐらいの感覚で
問題と向き合わさないと、すぐに図形的に解こう
としてしまうので、あえてそう言っています。
今回の問題は、まさにそういう問題です。
自分が解いていても、正直、どういう問題だったか?
をほぼ意識せずに淡々と計算問題を解いた感じでした。
そのため「まったく面白くない」問題でした。
まさしく「ベクトルへ計算問題」を実感させてくれる問題
ではありましたが、その一方で
「何をやっているかわからないままでも解けてしまう」
という問題でもあったと思います。
これって、勉強の本質からは逸脱している気がします。
共通テストの表向きの浅い目的・方針を重視した結果
「楽しい」「面白い」という「学ぶ」ということにおける
大切なものを失ってしまったような印象を受けました。
個人的に、今回のテストで最も残念な問題でした。
【第7問】
2次曲線と複素数平面。
ただし、今回、2次曲線からは出題されず。
前半は基本中の基本、典型問題ばかりでスラスラと
解き進めることができたのではないかと思います。
後半に入ってからもきちんと誘導されているので
戸惑う場面はほとんどなかったのではないかと。
主に理系のコたちが選択するかと思いますが
二次対策としてもよく解かされる問題パターンのため
選択問題の中では最も簡単だったのではないかと。
【総評】
良かったところとしては、選択問題のレベル差が
あまりなかったところでしょうか。
もちろん、個人差がありますので、あくまでも
私見に過ぎないのですが。
あとは、計算量が少なくて済む問題が多かった
というのも評価できます。
例年と比べて書き込んでいる文字の量がかなり
少なくて済んだ印象です。
良かったところは、正直、それぐらいしかありません。
出題形式の変更に伴う悪い部分がかなり目立ちました。
数IAの方にも書きましたが、大問を減らすか
時間を90分にすべきです。
あとは、つまらない問題をなくし、1問の配点を
もう少し高くしても良いと思います。
そのためには、面倒な計算を必要としない問題を
中心に構成するのが良いと思います。
計算ミスによる芋づる式の大量失点のリスクを下げ
少し難しい問題をじっくり時間をかけて解かせる。
その方がよほど良いと思うのですが。
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